第110回

テクエ!七夕の純情

 紳士淑女の皆さんこんばんは。今夜は姉のテクエ!のイベントにご来場いただき誠にありがとうございます。誰に命じられたわけでもないのに、昭和の良い歌たちを後世に伝えるという使命に燃える姉の心意気を、適当に受け流しつつ適当に受け入れ、今日のイベントを楽しんでいただけたら幸いに思います。というわけですので、今回のおセンチ日記では、今夜姉が歌う曲たちについての解説をさせていただこうと思います。
 まず1曲目は私が作った曲で『紫の履歴書』です。こちらは美輪明宏さんの自伝からタイトルを頂き、私が困難から立ち直ったときに必ずそこにいてくれる存在、について歌った曲です。立ち直る手助けをしてくれるわけではないのですが、立ち直ったときにそこにいる、という存在にはあまり意味がないように思われるかもしれません。しかし、ここに何故か大きな意味を見出してしまい、これを表現せずにはいられない、という気持ちがあるときとても高まりまして、作った曲です。2曲目は井上陽水さんの『とまどうペリカン』で、ウーマンリブの方々に「黙って男についてくる都合のいい女についての歌だ」と追求されたこともある歌です。が、私はそうは思いません。むしろ、相手を本当に思いやって付いてきてくれる女性の持っている母性とでもいうべき気持ちについて、どこまで男の側から理解することができるのか?と井上陽水さんが挑戦して作った曲だと思っています。3曲目はDavid Sylvian&坂本龍一で『禁じられた色彩』。これは映画『戦場のメリー・クリスマス』のテーマとして有名な曲に、David Sylvianが歌詞をつけ歌ったものです。愛することすら禁じられた状況下においては、ただ信じることしかできない、ということを歌っています。何も信じない方が生きてゆくのにはラク、なのかもしれないですが、何かを信じている人というのは美しいんですね。そして美しいということはそれだけで周りの人を幸せにする力を持っている、という想いをこめて私と姉はこの曲を歌い続けています。
 4曲目は荻野目洋子さんの『少年の最後の夏』。チェッカーズの『ギザギザハートの子守唄』や、中谷美紀さんの『Mind Circus』などの作詞家であります売野雅勇さんがプロデューサーを務めた『Route 246 Connexion』とう素晴らしいアルバムが彼女にはありまして、その中の1曲です。少年が死ぬ、というのはあまりにも魅惑的な出来事であり、これをモチーフにした芸術作品は古今東西を問わずたくさん存在します。この曲は、暴走族を抜けた少年の死を、その少年の気持ちを汲み取りきれなかった少女の立場で歌ったものです。この少女の3年後を、私はいつか歌にしてみたいと思っています。5曲目はサディスティック・ミカ・バンドの『タイムマシンにお願い』。ミカバンドというのは音楽をやっていく上で必要なセンスを磨くためのお手本として、これ以上のものはないバンドなのですが、中でもこの曲は突出しています。姉はやんちゃだった娘時代を懐かしみながらこの曲を歌っているそうです。
 6曲目は、成功を収めた安全地帯が、かつてバックバンドをしていた井上陽水への感謝を込めて企画した「Stardust Rendez Vouz」という神宮球場での両者の合同コンサートのために作られた『夏の終わりのハーモニー』です。夢やあこがれを持っている人と付き合うことはとてもステキなことなのですが、このステキさの中には夢やあこがれ故のたくさんの食い違いや衝突も含まれています。このことをとてもパーソナルかつ大きな視点から描いた名曲です。そして最後は私が19才のときに作った『以心電信』という曲です。この曲と1曲目の『紫の履歴書』は、現在製作中の3rdアルバムに収録する予定ですので、是非アルバムをお買い求めになってじっくりと聴いていただければ、と思います。
 姉が皆さんの前で歌う機会はあまり多くはないかと思いますが、また次回がありましたらご来場いただけますと嬉しいです。私はこの夏は名古屋・大阪・水戸、を廻り、8月には2度ほど東京でライヴを行いますので、こちらもぜひご来場下さい。でわまた、今度は、モア・ベターよ。人身ばいばーい!



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